宇宙関連産業の需要に応える「熱真空チャンバー(TVAC)対応製品」【Junkosha Solution 08】

2023 / 10 / 17
製品・ソリューション

発展が期待される宇宙関連産業分野でも潤工社のテクノロジーが! 「熱真空チャンバー(TVAC)対応製品」

TVAC用「Junkosha マイクロ波・ミリ波同軸ケーブルアセンブリ」

国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小型月着陸実証機(SLIM)等を搭載したH-IIAロケット47号機(H-IIA・F47)の打上げ成功や世界初となる民間企業による月面着陸を目指す日本のベンチャー企業の挑戦、そして米、旧ソ連、中国に続くインドの月面着陸成功など、2023年は宇宙開発関連のニュースが世の中を賑わせています。近年の宇宙関連産業の発展は目覚ましく、2040年には世界で約150兆円の市場規模に成長※すると期待され、国内でも2030年代初頭に2兆4,000億円に倍増することが「宇宙産業ビジョン2030」(内閣府 2018年)に掲げられています。「Junkosha マイクロ波・ミリ波同軸ケーブルアセンブリ」で実績と信頼を得ている潤工社は、こうした需要拡大に応えTVACでの実験や実際の衛星搭載に対応する製品を取り揃えています。

TVACにおける正確な計測のために

高度な温度位相安定性を実現する独自の高速精密ラッピング技術

宇宙空間に対応する高性能を得るための技術の一つが誘電体を精密に内部導体に巻きつける独自開発の高速精密ラッピング技術です。
同軸ケーブルは、中心の内部導体(銅線など)を誘電体が包み、その周りを外部導体が包み、さらにその外側を保護被覆が包む構造になっています。ここで重要なのが誘電体の性能です。ケーブルが激しい屈曲や大きな温度変化に晒されると誘電体が形状変化を起こし、それによって信号の位相のずれと挿入損失の変動が発生するため、測定対象物からの正しい測定信号が計測器に伝わらなくなります。とくに高周波信号を扱う衛星搭載機器では、微妙な位相のずれや挿入損失変動が測定結果に大きな影響を及ぼします。
潤工社の「TVAC対応製品」は、同軸ケーブルの誘電体として優れた性質を持つフッ素ポリマーPTFEに優れた復元性を持たせた先端材料のEPTFEを独自の加工技術により薄く均一なテープに成形し、高速精密ラッピング技術により内部導体に精密に巻きつけています。このため、激しい屈曲や大きな温度変化に対して影響を受けにくく、正確な信号伝送を可能にしています。

アウトガス対策のため保護被覆にフッ素ポリマーを採用

また、真空中ではケーブル被覆の樹脂や接着剤等からアウトガス(揮発ガス)と呼ばれるガス成分が放出されてしまいます。このアウトガスは、計測に支障を与えるばかりでなく装置故障の原因にもなります。潤工社の「TVAC対応製品」は、保護被覆にアウトガスを生じないフッ素ポリマー素材を採用し、万全の対策を施しています。その他、コネクタ等にも様々な工夫を凝らしています。

今後の宇宙関連産業の発展に寄与

潤工社は、フッ素ポリマー加工技術とケーブル製造技術の双方の分野において長い経験と実績、技術とノウハウを有している世界でも数少ない特徴のある企業です。国内の自社工場で素材の開発からケーブルの製造・アセンブリまで一貫して対応できるため、お客様の多様なご要望にもフレキシブルかつスピーディにお応えすることができます。
「TVAC対応製品」も、ケーブルタイプ・アセンブリ長・コネクタタイプをお選びいただくセミオーダーメイドで小ロットから製品のご提供を承ることができます。担当者までお気軽にご相談ください。

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