フッ素ポリマー熱交換器で工場排気ガスの未利用エネルギーを還元活用 【Junkosha Solution 07】

2023 / 09 / 19
製品・ソリューション

回収困難だった低温域(200℃以下)の工場排ガスから廃熱回収が可能な「Junkosha 熱交換器『フッ素ポリマー熱交換器 廃熱回収シリーズ』」

潤工社の「フッ素ポリマー熱交換器 廃熱回収シリーズ」は、冷却水が通る伝熱管に、金属ではなくフッ素ポリマーチューブを使用しています。フッ素ポリマーは、多様な化学薬品に耐性があるため、排気ガスに含まれるSOx(硫黄酸化物)やNOx(窒素酸化物)などの結露による伝熱管腐食を防ぐことができ、結露が起こる低温域(200℃以下)の未利用熱エネルギーの回収が可能です。

Junkosha熱交換器「フッ素ポリマー熱交換器 廃熱回収シリーズ」

カーボンニュートラル達成が企業の大きな課題

工場排ガスには、実はまだ未利用熱エネルギーがある

一般的な工場設備では省エネ目的でボイラから排出される高温の排気ガスをエコノマイザーという熱交換器で200℃程度まで温度を下げ、脱硫装置を経て煙突から大気中に排出されています。なぜ排出温度をもっと下げられないかというと、排気ガスの温度を200℃以下にすると、排気ガスに含まれているSOx(硫黄酸化物)やNOx(窒素酸化物委)、HCl(塩化水素)などの酸が結露して、エコノマイザー内の金属製伝熱管に付着し、金属表面を腐食してしまうからです。
なお、酸性物質が結露し始める温度のことを酸露点といいます。
そこで潤工社は、排気ガスに接触する部分の伝熱管に、ほぼすべての化学薬品に対して耐食性があるフッ素ポリマーチューブを採用した熱交換器を開発しました。潤工社の高効率「フッ素ポリマー熱交換器」と従来のエコノマイザーを併用することで、排気ガスの温度を酸露点以下まで下げ、今までは煙突から大気中に放出していた未利用の熱エネルギーを回収することが可能になります。

伝熱管にフッ素ポリマーチューブを採用する数々のメリット

さらに、伝熱管にフッ素ポリマーチューブを採用することで、管自体を細く肉薄にすることができました。それを高密度に最適配列することで、太い金属製伝熱管に比べ排気ガスが流れやすくなります。その結果、ガス側圧力損失が小さくなり(1~20mmH2O)、熱交換効率も向上します。しかも排気用ファンの増設が不要です。
そして、フッ素ポリマーチューブは非粘着性のため、伝熱管にダストなどによる汚れが付きにくく、伝熱性能低下がほぼありません。ダストが付着した場合は、オプションのシャワーリング洗浄装置により簡単に洗浄できます。
フッ素ポリマーの活用により、熱交換器自体を小型・軽量にすることができ、設置コストも削減できます。
装置自体の耐震性も優れています。
さらに、チューブ束端部を熱融着によってハニカム成形しているので、シール箇所は両端の2カ所×モジュール数と最小限で済みます。

年間1,700万円の燃料費削減に匹敵

フッ素ポリマー熱交換器導入の実証をサポート

フッ素ポリマーチューブを使った熱交換器は設定の自由度が高く、仕様、設置場所、関連装置の条件に合わせて最適なシステムをご提案し、設計・製造することが可能です。潤工社では、「フッ素ポリマー熱交換器」の導入に先立ち、導入先工場の実情に合わせたテストモジュールによる実証試験のサポートも承っています。時間をかけて実際にデータを計測し、どの程度の未利用熱エネルギーが回収可能か、お客様と一緒に検証します。
潤工社は、過去に株式会社ブリヂストン様と「フッ素ポリマー熱交換器」の運用に関する実証試験を共同で実施し良好な結果を得ています。

「フッ素ポリマー熱交換器 廃熱回収シリーズ」の導入に先立つ実証試験に関しては、お気軽に担当者までご連絡ください。

カーボンニュートラル実現の一助

ボイラなどの燃焼排気ガスからの低温域(200℃以下)の廃熱回収は、カーボンニュートラル実現での盲点ともいえます。金属伝熱管のエコノマイザーだけで回収しきれない廃熱を、「フッ素ポリマー熱交換器」を導入することで回収し、未利用熱エネルギーを削減。燃料を無駄なく利用することで、燃料の削減を可能とし、しいては二酸化炭素排出量を抑え、2050年までのカーボンオフセット達成に一歩近づくことができます。

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